
メタクエストの「android/data」フォルダ以下にはインストールされているアプリのデータが入っており、このフォルダにアクセスすると次のことができました。
- セーブデータの手動バックアップ(一部ゲーム)
- ユーザー作成ファイル(Modデータなど)の追加
しかしメタクエストの本体バージョン63にてセキュリティが強化され、メタクエスト本体から「android/data」フォルダへのアクセスができなくなりました。
このできごとはMeta公式フォーラムなどでも話題になり、利用者からは「Modが終わった!」と悲鳴があがりました。
一時はMetaから「この変更はバグだ」との公表もありましたが、バグではなくAndroidの仕様変更によるもので、現在もアクセスできないままです。
SideQuest(パソコン)やBugjaeger(Androidスマホ)など外部デバイスからならアクセスできますが、「android/data」フォルダの操作をする度に外部デバイスに接続するのは面倒です。
そこで今回はAndroidアプリ『Shizuku』を使い、再びメタクエストだけで「Android/data」フォルダ内にアクセスする方法をご紹介します!
なお当サイトのテーマ上「メタクエストでの使用」をメインに解説しますが、Androidスマホやタブレットでも同じことができます。
あわせて読みたい!
メタクエストでShizukuを使う準備
メタクエストでShizukuを使うには、次の3つのアプリが必要です。
- Shizuku(ADBコマンド転送)
- Zarchiver(ファイルマネージャー)
- Lightning Launcher(Android設定呼出し)
3つとも公式でapkファイルが配布されているので、メタクエストのブラウザでダウンロードして、『Mobile VR Station』などを使ってインストールしておいてください。
apkインストール方法いろいろ

これらapkファイルからインストールしたアプリは、ライブラリの「提供元不明」フィルターから起動できます。
「提供元不明」フィルターの場所は、メタクエストのアカウントにより異なります。
提供元不明が見つからない人は、以下の画像を参考してください。

(フィルター内)

(左の列の中)

(「アプリ」のフィルター内)
Shizukuを使ってandroid/dataにアクセスする方法
さっそくインストールしたShizukuを使い、「android/data」フォルダへアクセスできるようにしましょう!
次の3ステップで解説します!
以後、操作が必要なところに黄色マーカーを引いています。
画像と解説をよく読んで慎重に作業を進めましょう!
Lightning Launcherで「Wi-Fiデバッグ」を有効にする
メタクエストは独自OSを搭載しているため、通常AndroidOSの設定画面を呼び出すことができません。
そこで『Lightning Launcher』を使って、「Android設定」を呼び出します。
なおAndroidスマホやタブレットの方は、通常の手順でスマホの設定を開いて操作してください。(『Lightning Launcher』は不要)

ライブラリの提供元不明フィルターから『- Lightning Launcher -』を起動。

上部に表示されているグループから「Apps」をクリック。
インストール済みApps(2Dアプリ)一覧から、『Android Settings』を起動。

Androidの設定一覧が表示されるため、「システム」をクリック。

「開発者向けオプション」をクリック。
「開発者向けオプション」が一覧にない場合
以下の手順でAndroidの開発者モードを有効にしてください。
Androidの設定一覧 → ヘッドセットについて(一番下) → 「ビルド番号」(一番下)を10回クリック → 「開発者向けオプションが有効になりました」の表示を確認


「開発者モードの有効化」にMetaの開発者組織登録が必要かもしれません。
私も確証がないので、開発者組織登録してなくても有効化できた方は、コメント欄でご一報いただけると嬉しいです。

「ワイヤレスデバッグ」をクリック。(スイッチをクリックしないよう注意!)

「ワイヤレスデバッグの使用」のスイッチを有効にする。

全画面で【このネットワークでワイヤレスデバッグを許可しますか?】の表示が出るので、「このネットワークから常に許可」をクリック。(もしこの表示が出ない場合は、メタクエストを再起動してやり直す)
画面が戻るので「ペア設定コードによるデバイスのペア設定」をクリック。

ペアリング用のコードが表示されるので、次の手順でShizukuに入力しましょう!
Shizukuと「Wi-Fiデバッグ」をペアリングする
ShizukuにWi-Fiデバックのペアリングを設定して、ADBコマンドを実行できるようにしましょう!

ライブラリの提供元不明フィルターから『Shizuku』を起動。

Android設定でペアリングコードを表示している状態で、Shizukuの【ワイヤレスデバッグで開始】にある「ペアリング」ボタンをクリック。

入力欄が表示されるので、ペアリングコードを入力して「OK」をクリック。
もし入力欄が表示されない場合、Android設定側で「ワイヤレスデバッグの使用」のスイッチを無効→有効とした後、もう一度ペアリングコード出してShizukuの「ペアリング」ボタンを押してください。

Android設定側の【ペア設定済みのデバイス】に「shizuku」が追加されたことを確認する。
【ワイヤレスデバッグで開始】にある「開始」ボタンをクリック。

プロンプト画面が数秒表示された後、自動的に元の画面に戻ります。
もしプロンプト画面ではなく【ワイヤレスデバッグサービスの検索】という表示が出る場合は、「キャンセル」をクリックしましょう。
その後、Android設定側で「ワイヤレスデバッグの使用」のスイッチを無効→有効とした後、もう一度Shizukuの「開始」ボタンを押してください。

一番上に「Shizuku は実行中」と表示されていることを確認する。
ZarchiverでShizukuを通すように設定する
Shizukuにファイルマネージャー機能はないので、代わりに『Zarchiver』を使って「android/data」フォルダにアクセスします。
まずはZarchiverでShizukuを使えるようにしましょう!

ライブラリの提供元不明フィルターから『Zarchiver』を起動。

初回起動のみ、アプリに必要な権限を与えるよう表示が出ます。
「OK」をクリック。

【すべてのファイルへのアクセス】が表示されます。
スイッチを有効にして、左上の「←」をクリック。

初回のみ、Zarchiverの使い方に関するヒントが表示されます。
「OK」をクリック。

右上の縦向き「・・・」をクリック。

「設定」をクリック。

「ROOT」をクリック。

一番上の「Type of root access」をクリックして、「Shizuku / SUI」に変更。
右上「×」をクリックして、Zarchiverを一度終了。

もう一度提供元不明フィルターから『Zarchiver』を起動。



「Android」→「data」とクリックしてフォルダを移動し、dataフォルダ内が表示されれば完了です!
Shizukuは非root端末でも動く「ADBコマンドを転送する」アプリ
「android/data」フォルダへのアクセスに『Zarchiver』を使ったように、Shizuku自体は「ADBコマンドを転送する」アプリであり、ほかに特別な機能を持ちません。

今回はShizukuを使い「android/data」へアクセスしましたが、ほかのShizuku対応アプリを使うとこんなことができます。
- プリインストールされているアプリのアンインストール(Canta)
- 「OS Updater」のアンインストールでメタクエストのアップデートを完全阻止
- 自由にADBコマンドを実行(aShell)
- (上級者向け)ADBでやりたいことがある人用
私がメタクエスト上で試したのはこの2つくらいですが、Shizukuを活用したアプリは調べれば多く出てくるので、興味があれば探してみましょう。
ただ「メーカー側が想定していない動作をさせている」ということは忘れないでください。
『Shizuku』およびShizukuを活用するアプリの使用は全て自己責任です。
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※メタクエストにインストールする方法はコチラの動画を参照。