世界一売れたMetaのQuest 2、そのライバル機として話題となったPico4、どちらもすでに販売を終了し、現在は中古品しか手に入らなくなっています。
今からVRを始める多くの方の候補となるのが、Quest 3・Quest 3s・Pico4 Ultraの3機種です。
今回はこの3機種の違いから、「どの機種を選ぶべきか?」を解説します。
先に結論を書くと、私の見解は以下の通りです。
Quest 3が合う人
- Quest3sとの料金差が気にならない人
- フルトラにそこまで興味がない人
Quest 3sが合う人
- パンケーキレンズのVRゴーグルを使ったことがない人
- 少しでも料金を抑えてフルトラがしたい人
Quest 3sはQuest3の廉価版で、Quest 2.5のような性能です。
Pico4 Ultraが合う人
- フルトラを手軽にしたい人
- 有名作にこだわらず、遊べるゲームで満足できる人
- 空間ビデオを楽しみたい人
フルトラ(Full Body Tracking)とは
VRゴーグルは頭・右手・左手の3点の動きを追従(トラッキング)することで、VR上に動きを反映させています。
右足・左足・腰などを追加し、6点以上の動きを追従できる状態を「フルボディトラッキング」と呼びます。(ほかに両ひじ・両ひざ・胸も追加でき、最大11点まで追従可能)
フルトラになると足の動きが使えるゲームが遊べたり、メタバース(VR-SNS)でアバターへの没入感が強まったりします。
なお通常、フルトラに「目線追従」(アイトラ)と「表情追従」(顔トラ)は含まれません。
【参考動画】トラッキング数による動きの違い
なぜこういった結論になるか、それぞれの機種の違いを詳しく解説します。
Quest3(s)でVRデビューする方は、『はじめてのQuest2』(VRチュートリアル)と『First Encounters』(MRデモ)から始めましょう!(どちらも無料アプリです)
※『はじめてのQuest3』はありません。またPicoシリーズにはチュートリアルゲーム自体がありません。
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次世代VRゴーグル(Quest3・Quest3s・Pico4 Ultra)スペック表
赤字 → ほか2機種と比べ大きく優れている点
青字 → ほか2機種と比べ大きく劣っている点
Quest 3 | Quest 3s | Pico4 Ultra | |
---|---|---|---|
価格 | 128GB:69,300円(在庫限り) 256GB:―― 512GB:81,400円 | 128GB:48,400円 256GB:64,900円 512GB:―― | 128GB:―― 256GB:89,800円 512GB:―― |
ゲーム・アプリ購入先 (スタンドアロン使用時) | Questストア | Questストア | Picoストア |
チップセット | Snapdragon XR2 Gen 2 | Snapdragon XR2 Gen 2 | Snapdragon XR2 Gen 2 |
メモリ | 8GB | 8GB | 12GB |
レンズ種類 | パンケーキレンズ | フレネルレンズ | パンケーキレンズ |
解像度(片目) | 2064 x 2208 | 1832×1920 | 2160 x 2160 |
視野角 | 水平110度 / 垂直96度 | 水平96度/垂直90度 | 水平105度 / 垂直105度 |
IPD範囲 | 53~75 mm(無段階) | 58mm, 63mm, 68mm(選択制) | 58~72mm(無段階) |
対応リフレッシュレート | 72Hz,80hz,90Hz, 120Hz | 72Hz,80hz,90Hz, 120Hz | 90Hz |
対応Wi-Fi | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
IOBT対応 | ※ただし別売りの専用トラッカーあり | ||
重量(公称) | 515g | 514g | 580g |
重量バランス | 悪い | 悪い | 良い |
バッテリー稼働時間 | 約2.2時間 | 約2.5時間 | 2~3時間程度 |
空間(3D)ビデオ対応 | 再生 | 再生 | 再生 / 撮影 |
イヤホン端子 | あり | なし | なし |
IPD(瞳孔間距離)とは
「右目の中心」から「左目の中心」までの距離のこと。
正確な IPDを設定すると、映像がクリアに見え、目の疲れも軽減できます。
IPDは定規を使って自分で測ることもできますが、正確に知るには眼科やメガネ屋さんで測ってもらいましょう!
IOBT(Inside-Out-Body-Tracking)とは
Quest3と3sでできる、ヘッドセットのカメラを使って肘・手首・胴体の動きも検知する機能。
使用するにはアプリ側もこの機能に対応している必要があり、現在対応しているのは以下のゲーム・アプリを含むごく一部のみ。
- Dodge Arcade(IOBTデモアプリ)
- Virtual Desktop(PCに接続してPCVRを遊べるアプリ)
- PozeAR(テコンドーや空手の型を学べるアプリ)
- XRWorkout(筋トレ多めのフィットネスアプリ)
- 酔っぱらいバーファイト(ベルトアクションゲーム in VR)
IOBT機能はSteam版VRChatの簡易フルトラとして使われることが多いです。(Quest版VRChatはIOBT非対応)
ただ下半身が動かせないので、フルトラに興味がある人は結局専用トラッカーを買うという…
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QuestシリーズとPicoシリーズの特徴と違い
3機種の共通点
Quest3・Quest3s・Pico4 Ultraいずれも「スタンドアロン型」と呼ばれるVRゴーグルで、以下の特徴を持っています。
- VRゴーグル単体でゲーム・動画・メタバースなど本格的なVRが遊べる(※1)
- パソコンに接続するとパソコン用VRゴーグルとしても使える
- カラーパススルー対応でMR体験も可能
- ゲーム・アプリの下位互換がある(※2)
- メガネでも使用可能(※3)
いずれのVRゴーグルも処理能力は同程度であり、大きな違いはありません。
※1 性能の関係上、グラフィックはパソコンVRに劣る
※2 ゲーム・アプリ商品ページの「対応プラットフォーム」表記に準ずる
※3 使用できるメガネは各VRゴーグルの接顔パーツに準ずる [目安 → 幅: 142mm以下 / 高さ: 50mm以下](過去最も狭かったQuest 2より)
使用できるメガネについて、Quest 3・Pico4 Ultra は目安より2~3mm程度大きい横幅でも大丈夫です。
ただしVRゴーグルでメガネが顔に押しつけられて「圧迫感」があったり、顔に傷みが出たりします。
その場合は、各VRゴーグル専用の度入りレンズの購入を検討しましょう。
Questシリーズ・Picoシリーズの強みと弱み
QuestシリーズとPicoシリーズそれぞれの強みと弱みを考えると、以下の点が挙げられます。
Questシリーズ
強み
- ゲーム・アプリの数が非常に多い
- VR・MRそれぞれのチュートリアルアプリも用意されており、VR初心者にも優しい
- ただしインディーズゲームが多く、これを「強み」と感じるかは個人差が大きい
- 情報が多い
- 困ったことがあってもネットで情報が出てきやすく、SNSや掲示板で質問しても誰かが教えてくれることが多い
弱み
- 標準バンドの装着感が悪い
- 改善のために交換ヘッドストラップを購入すると、プラス3,000円~約1万円かかる
- 100均グッズなどで工作すれば、数百円の出費で済むが手間がかかる
- 装着感の悪さに、交換ヘッドストラップにたどり着く前にVR自体が嫌になる人も……
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紹介制度を活用しよう!
Metaには【本体紹介制度】や【アプリ紹介制度】があり、これらを上手に使うとお得にゲームを購入することができます。
本体紹介制度・アプリ紹介制度どちらにも注意事項があり、以下のページで詳しく解説していますので興味がある方はご確認ください。
Meta Questストアのセール・クーポンまとめ【限定クーポン配布中】
3,000円分のストアポイントがもらえる当サイトの本体紹介リンクも「クーポンまとめ」のページに掲載しています!
(注意事項を確認せずにもらい損ねた報告が多発したので、必ず上記ページを確認いただくようお願いします)
Picoシリーズ
強み
- 標準バンドの装着感が良い
- 購入してそのまま快適に使用でき、追加費用がかからない
- 実重量はQuestより重いが、前後バランスが良いため装着するとQuestより軽く感じる
弱み
- Pico単体で遊べるゲーム・アプリがQuestと比べると少ない
- ただし『バイオハザード4 VR』や『進撃の巨人 VR』といったMeta独占タイトルを除けば、有名タイトルの多くはPicoでも遊べる
- さらにパソコンと接続してSteamVRで遊べば、「BeatSaber」などPicoストアで販売されていないタイトルも遊べる
- Questと比べると情報が少ない(とはいえ結構出てくる)
- 調べても自力で解決できないときに、SNSや掲示板で個質問を投げても回答が得にくい
VR初心者はMeta Quest 3・Quest 3s・Pico4 Ultraのどれを選ぶべきか?
シリーズごとの特徴を踏まえて、Quest3・Quest3s・Pico4 Ultraの機種別の特徴を解説します。
Quest 3:オールラウンダーの万能機
Quest2から全てが強化された、最もおすすめのVRゴーグルです。
VRゴーグルとしてはシリーズ共通の「装着感の悪さ」以外に大きな欠点はなく、パンケーキレンズで映像もキレイ、スイートスポットも広く、ゲームも豊富です。(ゲームは3sも同様)
スイートスポットとは
レンズを覗いたときに、映像がボヤけずに見える範囲のことです。
Quest3 / Pico4 Ultraのパンケーキレンズではレンズから多少ズレても映像はボヤけずクリアに見えるのに対し、Quest 3sのフレネルレンズではレンズの真正面以外では映像がボヤけてしまいます。
ただ性能が強化された分お値段も強化され、3sの約1.7倍となりました。(Quest3:81,400円 / 3s:48,400円)
この値段差が気にならないのであれば、Quest3は全ての人におすすめの機種です。
Quest3とPico4 Ultraの違いは?
Quest3とPico4 Ultraの最大の違いは、フルトラ化の容易さです。
性能や映像の見え方が非常に似ていますが、Pico4 Ultraには専用トラッカーがあり、11,800円で追加できます。
Quest3で外部のトラッカーを追加してフルトラ化しようとすると、追加で3万円~5万円ほどかかります。(3sも同じ)
個人的には、現時点でフルトラに興味がないのであれば、使うかも分からないフルトラのために本体が8,4000円も高いPico4 Ultraを選ぶ必要はないと考えています。
ここは「VRゲーム」が好きか「VRChat」(VR-SNS)が好きかで意見が非常に分かれるところなので、ご自身の想定する使い方で判断していただければと思います。
興味を持ったときには、もっといいフルトラデバイスが出ているかもしれません。
Quest 3s:3機種の中では最も安い、VR入門機の新定番
次世代機の中で最も安く、VRゴーグルの新しい定番機種となるのがQuest 3sです。
世界一売れたQuest2をベースに処理性能とMR機能がQuest3と同程度まで上げられており、値段を抑えながらもVR・MR・メタバースが一通り体験できるVRゴーグルとなっています。
3sの価格が安いのは「フレネルレンズ」という、Quest2で使われていた少し安価なレンズが使われているからです。(Quest3やPico4は「パンケーキレンズ」)
「フレネルレンズ」はスイートスポットが狭く、VRゴーグルが少しズレただけでも映像がボヤけてしまいます。
動きのあるゲームをプレイするときはもちろん、動画を見ているときでも意外とVRゴーグルがズレてしまいます。
いちいち映像がボヤけてしまうため、細かく位置を修正する手間がかかり、没入感が削がれてしまいます。
パンケーキレンズを経験したユーザーの中には「フレネルレンズの時点で論外」という声もあるほどです。
それほどレンズ(見え方)の違いは、VR体験に大きな影響があります
しかしQuest3が発売されるまで、多くのユーザーがQuest2(=フレネルレンズ)で過ごしてきたことも事実です。
もしあなたが「パンケーキレンズ未経験者」なら、Quest3sを選択しても全く問題ないでしょう。
いきなり高額商品に手を出して「レンズ以前にVR酔いが酷くて遊べない……」となるくらいなら、3sからでもとにかくVRを体験して「VRに適性があるか?」を見極める方が重要だと、私は思います。
「性能の違いとかよく分からない、とにかくVRがやりたいんだ!」という方は、Quest3sを選ぶとよいでしょう。
3sは赤外線ライト搭載で、Quest 3と比べ「暗闇に強い」というメリットもあります
(3は赤外線ライトが無く、代わりにMR用の深度センサーを搭載)
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フルトラも3sが安い
価格面にのみ注目すると「Pico4 Ultra + Pico Motion Tracker」よりも、「3s + 外部のフルトラトラッカー」の方が安くなります。
※Pico Motion Trackerについては次項「Pico4 Ultra」を参照
※外部のフルトラトラッカー → mocopi、uni-motion、ハリトラXワイヤレス、Rebocapなど
Quest3s + ハリトラXワイヤレス(例)
48,400円 + 39,999円 = 88,399円
Pico4 Ultra + Pico Motion Tracker
89,800円 + 11,800円 = 101,600円
ただし記事執筆時点において、Pico Motion Trackerほど「準備が手軽」なトラッカーはありません。
人により「装着するトラッカーの数」や「キャリブレーションの容易さ」、「動きを反映する精度」など何を重視するか異なるかと思いますが、少しでも「価格」を抑えたいならQuest3sを選択するとよいでしょう。
フレネルレンズ(3s)とパンケーキレンズ(Pico4 Ultra)の差も気になるところです。
Quest3の128GBモデルがあれば、「Quest 3 + Rebocap」もPico4 Ultraより安いのですが…
実はPico Motion Trackerは無印Pico4にも対応してるので、コスパを重視するなら中古の無印Pico4と専用トラッカーの組み合わせが最強です
Pico4 Ultra:VRChatユーザー狙い撃ちの独自路線
Quest3とPico4 Ultraは同じような性能をしています。
しかしQuest3が512GBモデルで81,400円に対し、Pico4 Ultraは256GBモデルで89,800円です。
Pico4 Ultraが8,400円も高く、Pico4 Ultraを選ぶメリットは何もないように思えます。
Quest3の装着感を改善するために交換ヘッドストラップを購入すると、追加で3,000円~1万円程度かかります。
これを考えると、Quest3とPico4 Ultraの値段差は無いに等しいものです。
Pico4 Ultraの真骨頂は、専用のモーショントラッカー「Pico Motion Tracker」(11,800円)を使ったフルトラ環境構築にあります。
軽量(27g)のトラッカーを両足に取り付けるだけで、なぜか腰もまでトラッキングできる簡単フルトラ!
キャリブレーションもPico4 Ultra内で専用ソフトを立ち上げて「トラッカーを6秒見つめるだけ」というお手軽さ!
キャリブレーションとは
「機械が認識する身体の位置」と「実際の身体の位置」を調整すること。
これまでのトラッカーは、トラッカーの指定ポーズを取る必要があった。
Quest3でフルトラ化を目指すと最低でも3万円が追加で必要になるので、フルトラを見据えるならPico4 Ultraを選択する価値は十分にあります。
ただしPico Motion Trackerで「やりやすい動き」「やりにくい動き」があるので、興味がある人は事前にレビューなどをよく調べるようにしましょう。
ミスターVRさんのPico Motion Traker解説
フルトラ識者によるPico Motion Traker詳細レビュー
PICO Motion Trackerを自腹で4個買ってVRChatでフルトラ比較してみた【2024年9月25日ピコモーショントラッカーレビュー記事】
https://vrchat-fbt.com/pico-motion-tracker/ (フルトラひろさんのラボノート in VRChat)
またQuest独占タイトル(『バイオハザード4 VR』や『進撃の巨人 VR』など)こそありませんが、Questストアで高評価を受けたタイトルの多くはPicoストアでも購入できます。
もちろんパソコンと接続してSteamVRと組み合わせれば、Picoストアでは販売されていない『BeatSaber』などもプレイできます。
【参考記事(海外サイト)】
75% of the 20 Best-rated Quest 2 Apps are Now Available on Pico 4(Quest2で人気タイトル20のゲームの75%がPico4でもプレイ可能に [2023年8月14日の記事])
https://www.roadtovr.com/top-rated-quest-2-apps-available-on-pico-4/(Road to VR)
無印Pico4のころは「Picoはパソコンに接続する人用」と言われていましたが、今のPico4(Ultra)は単体で使っても十分楽しめるVRゴーグルとなっています。
VRChatやclusterなどのメタバースに興味がある、VRゲームは遊べるだけで十分(あるいはパソコンVRで遊ぶ)という方には、Pico4 Ultraがベストです!
「空間ビデオ」が気軽に楽しめるかも?
今後Picoは「TikTok×空間ビデオ」に力を入れていくらしいです。(Picoの親会社ByteDanceはTikTokの運営元)
この先、Pico4 UltraでTikTokに投稿された空間ビデオが気軽に見られるようになるかもしれません。
空間ビデオに対応した動画投稿プラットフォームは今のところない(はず)なので、TikTokは「投稿された空間ビデオ」が気軽に楽しめる唯一のプラットフォームになるかもしれません。
Quest2・無印Pico4ユーザーは買い換えた方がいいか?
Quest 3、Pico4 Ultraのパンケーキレンズは発色が美しく、前世代機から確かな進歩を感じます。
すでにパンケーキレンズでカラーパススルー対応だった無印Pico4ユーザーでも、新世代機の変化を感じられるでしょう。
Quest3sはカラーパススルーに対応したので、Quest2からの乗り換えであれば大きな進歩を感じるでしょう。
MichalinaさんのQuest 2・3s・3画質比較動画
(反射の映り込みや、カメラがブレた際の端のボヤけ・端の歪み具合にも注目)
You asked, we deliver!
— Michalina (@xoxobluff) October 15, 2024
Side-by-side through-the-lens comparison of Meta Quest 2, Meta Quest 3S and Meta Quest 3: pic.twitter.com/p7j3DVovo3
Quest 2 → Quest 3の「画質(解像度)」の向上はゲームによって恩恵があったりなかったりでそこまで気になりませんが、Quest 3(パンケーキレンズ)の「スイートスポットの広さ」は全てを快適にします。
これを体験した後だと、スイートスポットの違いだけでQuest3を選びたいくらいです。
ゲンマJAPANさんのパンケーキレンズ3機種の画質比較動画
(パソコンVRでの比較)
しかし「今すぐQuest 3・3s・Pico 4 Ultraに買い換えた方がいいか?」と聞かれれば、私はその必要はないと考えます。
新機種はいずれも「処理性のの向上」と「MR機能の強化」に力が入っています。
しかし記事執筆時点で、Quest3(s)やPico4 Ultra専用タイトルは少なく、MRをガッツリ活用したゲーム・アプリも少ない状態です。
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基本的には、以下のような不満や不具合が出た時に検討すれば十分だと思います。
- やりたいゲームがQuest3(s) / Pico4 Ultra専用だった
- 本体の電池の持ちが悪くなった
- 本体やコントローラの不具合が増えた
あるいは、
- 空間ビデオを撮りたい [ Pico4 Ultra ]
- MR環境で快適に作業をしたい [ Quest 3 / Pico4 Ultra ]
- パソコンVRでAV1エンコードを試したい [ Quest 3 / Quest 3s / Pico4 Ultra ]
といった次世代機の強みを活かせる or 次世代機でしかできない機能を試したい場合も、乗り換えを検討してよいと思います。
AV1エンコードとは
高い圧縮技術により、今までより少ないネットワーク通信量で高画質なストリーミング配信ができるようにした映像圧縮方法。
YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなど、多くの動画配信サイトで使われています。
AV1エンコードを使用するメリットを端的に言うと「ほかのエンコード設定より高画質になりやすい」。
ただし使用には対応した最新のグラフィックボードが必要だったり、パソコンの負荷が高くなったりします。
「新しいVRゴーグルにしたら無条件で使える!」「使えるならとりあえず設定しといた方がいい!」というものではないことに注意。
Quest 2 → Quest 3s へ乗り換える場合、イヤホン端子が無くなることをご留意ください。
3sでイヤホン・ヘッドホンを使用するなら、Bluetooth接続のものに変更するか、遅延を気にするならUSB-C&3.5 mm変換アダプタを使いましょう。
Quest 3sは128GB、256GBどちらのストレージ容量を買うべきか?
最近はゲームの大容量化が進んでいます。
例えば最近出た『HITMAN 3 VR』は約26GB、『Just Dance VR』は約8GB、昔からある『ビートセイバー』は約1.3GB、『VRChat』は約1GB+ワールドやアバターのキャッシュが読み込んだ分だけ何GBも必要です。
ただ、遊ばなくなったゲームを都度アンインストールするのであれば128GBでも足ります。
よほど大容量のゲームばかりを選出しないかぎり、128GBでも5~10本程度のゲームが入ると考えてOKです
どうしても不安であれば256GBモデルを購入しましょう。
……というのが定説でしたが、Quest 3sに限っては256GBを買うなら、もう少しお金をためてQuest3を買うことを推奨します!
Quest 3s(256GB)は 64,900円、Quest 3(512GB)は 81,400円と、その差額は16,500円です。
16,500円追加してQuest 3を購入すれば、以下の機能アップグレードがあります。
- ストレージ容量が倍になる(256GB → 512GB)
- レンズが良くなる(フレネルレンズ→パンケーキレンズ)
- 解像度がよくなる(1832 x 1920 → 2064 x 2208)
- 視野角(水平)が広くなる(90度 → 110度)
- IPD調整が無段階になる(3段階 → 無段階)
- 本体の厚みが薄くなり、重量バランスがわずかに改善(73.9mm → 62.3mm)
- イヤホンジャックがある(3sはType-Cイヤホン変換機 or Bluethooth接続イヤホンが必要)
特にフレネルレンズとパンケーキレンズの違いは大きく、Quest3は従来のモデルと比べて高い使用率を維持しているというデータもあるくらいです。
可能であれば、家電量販店やレンタルなどでQuest 3とQuest 3sのレンズを比べてみてから選択してほしいと思います。
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VRゴーグルごとの違いが少なく、初心者には選択が難しい時代に…
次世代のVRゴーグル3機種(Quest3、Quest3s、Pico4 Ultra)の選び方について解説しました。
最後に改めて、私の見解を繰り返します。
Quest 3が合う人
- Quest3sとの料金差が気にならない人
- フルトラにそこまで興味がない人
Quest 3sが合う人
- パンケーキレンズのVRゴーグルを使ったことがない人
- 少しでも料金を抑えてフルトラがしたい人
Quest 3sはQuest3の廉価版で、Quest 2.5のような性能です。
Pico4 Ultraが合う人
- フルトラを手軽にしたい人
- 有名作にこだわらず、遊べるゲームで満足できる人
- 空間ビデオを楽しみたい人
上記は個人的な見解ですが、Questシリーズ、Picoシリーズの動向を注視してきたVRヘビーユーザーであれば、ほとんどの人が同じような見解になるかと思います。
いろいろ書かれて混乱してしまったかもしれませんが、最後ににまとめると
- 初めてのVRゴーグルなら、「安価なQuest 3s(128GB)」 か 「オールラウンダーなQuest 3」!
- 自分のVRの楽しみ方が分かっているなら、「Quest 3」 か 「Pico4 Ultra」がおすすめ!
これだけ覚えておけばバッチリです!
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